宮脇俊三「時刻表昭和史」の本編は13章から成っているが、国府津から沼津までの現在の東海道線は、ほぼ半分の6章に登場する。最初は昭和9年の「特急、燕・富士・櫻」の章である。当時宮脇少年は9歳、ずいぶん早熟な子供だったようで、6歳から時刻表に親しみ昭和9年末の丹奈トンネル開通でのダイヤ大改正に興味を示している。
宮脇俊三「時刻表昭和史」の本編は13章から成っているが、国府津から沼津までの現在の東海道線は、ほぼ半分の6章に登場する。最初は昭和9年の「特急、燕・富士・櫻」の章である。当時宮脇少年は9歳、ずいぶん早熟な子供だったようで、6歳から時刻表に親しみ昭和9年末の丹奈トンネル開通でのダイヤ大改正に興味を示している。
経団連会館でAPEC関連の報告会があったので、参加してきた。5年前なら何のかかわりもない会合だが、このところデジタル関連の話題が方々の国際会議で取り上げられるようになっている。今年のAPEC(議長国:チリ)も4つのテーマのうち最初のものが「デジタル経済」だった。
ちょうど日本でもG20の真っ最中、財政・貿易・環境等々どれをとってもデジタルと無縁ではいられない大臣会合になっている。外務省と経産省の担当官がAPECでの議論を説明したのだが、「デジタルは今年の流行で・・・」とか「この数年貿易環境は変化していません」とか言う。流行などではない毎年比重が大きくなるテーマだし、デジタル貿易が大きくなってきたからこそ「デジタル課税」の議論が出てきていることを彼らは認識できていないようだ。
そんなわけでちょっと不機嫌だったのだが、ゲストの大学教授が「Brexit論」をしてくれたのは大変参考になった。この先生は英国外交史が専門で、特に国民投票に至る道を再整理して説明してくれたのが良かった。要約すると源流は以下の通り。
離脱論者は保守党にも労働党にもいる。最初は少数だったが、与野党拮抗の状況になると、与党内で少数意見の離脱論者にも配慮せざるを得なくなる。サッチャーもメージャーもキャメロンも野党の攻撃ではなく、与党内をまとめられずに辞任した。その原因が「少数の離脱派」。キャメロンは離脱派をつなぎとめるために国民投票(の愚)に討って出るが、どうせ残留の結果が出るから問題ないと思っていた。
離脱強硬派で知られるジョンソン(当時)外相も、離脱が決まってしばし茫然としていたらしい。写真は、地図上に青が残留優勢の地域、赤が離脱優勢の地域を色分けしたもの。アイルランドやスコットランドはほとんど青だ。イングランドに赤が目立つ。今後も、強硬離脱か、合意を目指すか、再び国民投票かなどの迷走が続くが、下手をするとアイルランド、スコットランドなどの分離独立すらありそうだ。
先生によると最大の問題は、国際政治の経験深い官僚などが国内のゴタゴタでやるべきことができないこと。イギリスだけでなく、世界の外交に大きなマイナスになるだろうと言う。米中対立にしても、米国が英国のインテリジェンスを使えず苦戦するかもとのコメントだった。もはや、何をかいわんやですね。
作者宮脇俊三の「時刻表20,000キロ」を読んだのは、大学生だったころ。同級生に鉄道マニアがいて、国鉄全線を乗りつぶすのだと豪語していた。彼は卒業後、社会人になってもコツコツとローカル線を廻り全線完乗を果たしている。僕はと言えば高校生の時森村誠一「新幹線殺人事件」を読んで以降、鉄道のダイアグラムを使ったアリバイトリックが好きになっていて、実際に列車に乗ることにも興味を持ち始めていた。
韓国政治の迷走は、文大統領の認知症が原因だとのうわさも出ている。反日の話(徴用工・慰安婦・旭日旗等)は大統領の信念ゆえ仕方ないとしても、米朝間をとりもとうとして失敗、トランプ訪問を懇願して袖にされ、G20ではまともに会ってくれそうな首脳もいない寂しさである。
トランプ先生だけでなく米国政府全体の対応も冷たいもので、米韓軍事演習は中止(というより事実上廃止)、米軍撤退という事態も真実味を帯びてきた。日米と違って韓米同盟には韓国が攻撃されても米軍が防衛や報復をする規定がないというのは、今回初めて聞いたこと。それに加えて在韓米軍の指揮は韓国軍司令官がとることになったという。これは、米軍が「もう朝鮮半島はあきらめました。好きにして」と言っているように聞こえる。
ソウルにいる米軍人およびその家族は、韓国にとっては人質のようなものだ。「もし北朝鮮軍がやってきたらこの人たちも犠牲になるから、ソウルを守ってね」との主張はもうできなくなる。そんなわけで漂流をはじめる韓国軍だが、実は相当の戦力を持っている。年間予算は(為替の問題はあるが)4兆円を超えている。
陸軍 常備軍50万人、予備軍320万人
海軍 7万人、強襲揚陸艦「独島」、駆逐艦12隻、潜水艦20隻弱
空軍 6.5万人、110機のF-15/F-16を含む作戦機790機
「日韓もし戦わば」という書もあったが、海・空軍の充実ぶりは北朝鮮向けではなく、仮想敵は日本だと指摘する人もいる。もちろん「常在戦場」だった陸軍50万人は精強な軍隊である。場合によっては、北朝鮮よりも厄介な存在になるかもしれないと思う。また在韓米軍3万人の行き先も心配だ。対中国の緊張関係を考えると、この地域に置いておきたいだろうが、まさか台湾というわけにはいくまい。ハワイはもちろん、グアムすら遠い。結局、沖縄の基地拡大・・・なんてことにならないよう祈りたい。
先週、10年ぶりくらいに日本IBMの本社を訪れることになった。言うまでもなく、世界のコンピュータの歴史を担った企業である。僕が学生だった頃、この会社は世界一のコンピュータメーカーだった。ミニコンの雄DECとか、バローズ・ユニバックなどの競合企業はあり、日本でも当時の通産省の政策によって富士通と日立がIBM互換機を、NECらが独自機を開発して市場に供給していた。